ADHD_LABO

ADHDをよりよく生きる実験の日々

ネガティブモンスター、ハンコが生まれた背景~社会人編②最終回~

 前回

adhd-labo.hatenablog.com

の続きです。

 

この回のテーマソングは

藤圭子宇多田ヒカルの母)の

「聞いてください私の人生」

がぴったりではないだろうか。

 

叶うことなら、読者の方が

このブログを読んでいる間

ハンコが横でこの歌を歌いあげ

臨場感を増したいところだが

なかなか難しく残念だ。

 

もしくは

歌詞を載せたいところだが、

著作権にひっかかりそうなので

お暇な時にでも一読していただければと思う。

 

 一度目の入院は、20代後半。

ここで救ってくれたのは

またしても「 観音氏 」だ。

 

なんだろうか、観音氏は前世で

強いカルマでもあるのだろうか。

気の毒でならない。

 

当時、もうすでに別れていて

県も別々のところに住んでいた。

しかし、私の異常さに気づき、

病院を探し見つけ、全てを手配した。

 

いつもどんな時でも、ハンコを仄暗い世界から

明るいほうへ導いてくれるのは観音氏なのだ。

観音氏には足を向けて寝られない。

 

しかし現在ハンコは「痔」になり、

患部の通気性を絶対確保するために

尻をほうりだし、

「痔」を抱える尻を向け寝る姿を

観音氏は煙たがっているのだが

それはまた別のときにでも。

 

20代後半、ハンコは

昼は美容部員、夜はバイトでスナックで働いてた。

 

浅はかな思考の元に生きていたハンコは

当時、とにかく結婚したくて、したくて

結婚に「全て」をかけていた。

 

このぱっとしない人生も

結婚すれば何かがかわるのではないかと。

全く安易な考えだ。

 

当時ハンコは

大学から付き合っていた観音氏と別れ、

7歳離れた外資系自動車メーカーに務める

A氏と交際していた。

 

 A氏は、留学生活と外資企業で培われたジェントルマン気質。

外車を颯爽とのりこなし、週末はサーフィンにあけくれ

リア充街道をひた走り、とにかく輝きまくっていた。

 

もともと陰キャ気質の恋愛偏差値30も満たない

ハンコが挑んだ、難関大学A氏。

 

結果は読者の方の想像通りだ。

しかしそのときはもう

回りは全く見えなくなっていた。

 

こともあろうか

その難関大学A氏に結婚を挑んだ。

 

それを遂行するため

安易なアイデアが浮かんでいた。

A氏の「嫉妬」と「焦り」を買う作戦だ。

 

美容部員で働いてたその流れで

メイクを学びにロンドン留学したいと。

1ミリも、1ミクロンも思ってもいない

夢をA氏に語りだした。

 

だから、夜のバイトで留学資金をためている。

「止めないと私はロンドンに行ってしまいますよ。」

「本当にいいのですか」と。

 

しかし、ひきとめるどころか

A氏は留学をめちゃくちゃ応援した。

 

あとに引けなくなったハンコはバイトを続け

むなしく貯金を増やしていった。

 

そんな女がA氏の心を繋ぎ止めれるわけがない。

やがてあることがきっかけに恋は終わった。

 

そして 、そこはかとない目的のあぶく銭は、

瞬く夜の夢、夜露のように消える。

まるで意思をもっているかのように。

 

バイト先で出会ったS氏に

嘘からはじまった留学資金を

だまし取られることとなる。

 

ざっとウン百万。

 

S氏はバイト先で会社の社長と噂され、

「太客」として大変人気があった人物だった。

 

しかし、偽名を複数もち使いわけ

詐欺をはたらいていた人物なのだ。

被害者が一人、二人でないことを知るのは

数年先のこと。

 

ハンコはオレオレ詐欺など

詐欺に騙される人を

馬鹿には決してできないのだ。

 

詐欺師は本能的というよりも、

ミトコンドリアレベルで

ターゲットを見抜き近づく。

 

もともと自己肯定感の低いハンコを

その気にさせるのは容易いことであったろう。

 

スッカラカン、信用、健康、全てを失ったハンコは

常軌を逸し、入院することとなる。

これが一回目の入院だった。

 

その後S氏は多額の金を溶かし、

消息不明となった。

 

今も生きているのか

マグロ船で使われる餌となっているのか

はたまた東京湾の海底にいるか

答えは風の中だ。

 

その入院生活でハンコは再生し、

次は再生しすぎたのか

スピリチュアル、自己啓発に傾倒し、

セッション、セミナー三昧をあけくれたのが

38歳位までだったろうか。

もうどうしようもない女だ。

 

これまでの災いは

過去生の強いカルマであるとか、

カルマを落すワーク、

愛のバイブレーションを作るだの

感謝のワーク等々にいそしんだ。 

 

 

やがてそれも終わり、現在に至る。

全ての事柄がハンコに必要だった。

そう思っている。

 

ふと、やけに思い出すセリフがある

二十歳の時にみた映画

トレインスポッティング」 

主人公レントンが語るラストシーンだ。

 

「これで終わりにして、まともになり、人生を探そう。

 ずっと探し求めていた、あんたと同じような人生を。

 仕事、家族、大きなテレビ、車、CD

~中略~

9時から5時、家庭的なクリスマス、年金、税控除、

生きていくのさ、未来をみすえて、死ぬその日まで」

 

二十歳のころ、毛嫌いしていた

「普通の人生」が

現在のハンコの心には

まばゆい輝きを放ち眩しく見える。

 

そんなこんなで20年を過ごし

今日も何食わぬ顔で図書館で働く。

 

昼休みには、先輩や同僚たちと、

オホホ、アハハと

何事もなかったかのように。

 

そう、

あなたの職場の机の横に座っているのは

「冷静と狂気の間」に

生きるハンコ本人かも知れない。

 

ハンコはあなた。

あなたはハンコ。

 

次回、

ネガティブ・メガ・モンスター、

母ナツコの近況をお伝えします!

 

そんじゃまた!