ADHD_LABO

ADHDをよりよく生きる実験の日々

ちびっこハンコ、カリスマのんのんさん(祈祷師)のところにいく①

読者の方からツイッターなどで前回の感想を何件か頂いた。

特に祈祷師のくだりが面白かったです。と。

 読んで下さって本当にありがたいです。

 

前回の続き、~怒涛の社会人編~に入ろうと思ったが

わたくしハンコも祈祷師のことを懐かしく思い出していたので

今回は祈祷師との思い出を掘り下げて研究報告レポートとする。

 

さて読者の皆さんは

女性の祈祷師というと、どんな姿を想像するだろうか?

 

白く透き通る肌に赤い唇、黒髪が艶めき神秘性を秘めたエキゾチックな

まばゆいばかりの美しい女性を思い浮かべたのではないだろうか?

 

この先を読んだ読者の皆さんは、

そのイメージがガタガタと崩れるかも知れないことを

お許し頂きたく、そして、ご了承頂願いたい。

 

ハンコが幼稚園から小学校3年になるまで

母ナツコ、ハンコ、弟と連れ添って足しげく

祈祷師のところに通う日々が続いた。

 

ナツコはADHDの特性を持つハンコを祈祷によって

治療しようとしていたのだ。

 

ナツコは祈祷師のところに行く際

「のんのんさんどごさいぐよ(のんのんさんのところにいくよ)」

と声をかけていた。

 

ちなみに私が幼い頃住んでいた地方では、

仏様を拝むことを

「のんのんして」「なむなむして」「カンカンして」と

子供たちに向けて言っていた。

以後、祈祷師はのんのんさんと呼称する。

水木しげる先生の「のんのんばあとオレ」にも記されているように、

水木しげるの出身地、鳥取県でも拝み屋をこのように呼んでいたようで

東北特有の方言と思っていた「のんのんさん」という言葉、

鳥取と東北と数百キロ離れた場所でも同じ予呼び名で愛されていた事に

なんとも感慨深いものを感じる。

 

話を戻そう。

ハンコが住んでいた、東北の田舎では

のんのんさんが地域に根付き愛され、とても近い存在で信仰の対象となっていた。

 

ナツコはその時々の悩みに応じて、のんのんさんを使いわけをしていた。

弟は喘息持ちで冬になると必ず高熱を出し、

夜になると一晩中、ゴホゴホと苦しそうに咳をし、

ひどいときには入退院を繰り返すこともあった。

こういった病気を治す&健康関連はAのんのん、

金関係はBのんのん、ハンコの奇行を治す祈祷はCのんのんと

いったように、各のんのんさんがもつ得意分野に応じて上手く(?)

使いわけをしていた。

 

こういったように、のんのんさんを活用し

私生活に落し込んでいたナツコは

ママ友からの

「あそこはなんじょだった?(あそこはどうだった?)」

という近所の問い合わせに対し

「あそごはいがった。(あそこはよかった)」

「あそごはあんましいぐねがった(あそこはあんまりよくなかった)」

と、現在でいうところのインフルエンサーばりに口コミを駆使し

狭い範囲であったがSNS顔負けの情報を拡散し存在価値を高めていた。

 

しかし、足しげく通ったのんのんさんのハンコへの祈りもむなしく

良くなるどころか、小学の学年があがるにつれひどさを増していった。

一向にあがらない学力、ナツコのいいつけは全く聞かない、

口ばかり達者になり口ごたえはする、家の中では暴れるはで

ナツコの疲労と困惑、混迷はピークに達していた。

 

それは小学3年生だったろうか。

ナツコは大きな勝負にでた。

とうとう療養クラスへの相談、当時数少なかった支援センター、

専門医等に相談することにしたのか!?

いやどれもまったく違う。

 

ナツコが最後の手段に選んだのは

東北屈指の祈祷師、

カリスマのんのんさんのところに行く事を決めたのだ!!!

そうナツコはいつだってぶれない生き方を貫いてきた女性だった。

まわりをひりひりさせるほどに。

 

その日のナツコはいつもと同じように

「のんのんさんとこさいぐよ」

とハンコと弟に声をかけたが表情はとても硬かった。

 

いつもなら、のんのんさんのところに行くのに

徒歩やバスや電車などを利用してたが今回は移動手段も違った。

 

われわれが乗ったもの、

それは当時憧れの「東北新幹線」だった。

 

まだ数回しかのったことのない新幹線に、

特に弟はこれまたはしゃぎにはしゃいだ。

 

しかし決戦の日を迎えた神妙な面持ちのナツコ、

弟のはしゃぎを断じて許さなかった。

 

外部の目もあり最初は「しずがにしなさい」と諭していたが、

あがりまくったテンションの弟にその声が届くはすがない。

 

新幹線が県境にさしかかった頃だろうか

隣でバチン!と音が鳴り響いた。

ぎりぎり保たれていた均衡が破かれた。

とうとうナツコが弟の頬をぶったのだ。

 

痛みと驚きで先ほどのはしゃぎの声よりも

大きな声で弟はわーわーと泣き叫び、

ナツコは泣いだらだめでしょ!と声を荒げて叫んだ。

 

ナツコの制裁により、さっきよりも数倍増して

やまびこ号、1号車にカオスを生んだのだった。

 

出発の出だしから波乱のハンコ一家の旅、

 次回へ続きます。(今週金曜日を予定しています。)

 

いよいよ東北屈指カリスマのんのんさんがハンコ一家の前に登場します。

 

のんのんさんの熱き祈りはハンコに届くのか!?

 引っ張ってごめんなさい。

 

見てください!聞いてください!楽しんでください!

押無 判子(オセナイ ハンコ)でございます。

 そんじゃまた!